2014年10月19日

ハローワークでヘコむ。 【後編】

次に問題なのは「ハロワに来る求職者層」を狙った詐欺紛いの求人な。
いや、いつの時代も悪事を働く輩が跋扈するのは世の常。
そいつらが悪いのは当然として、
だったらそれを放置するハロワに問題ないのか?という話。

エンジャパンとかはたらいくとかさ、これだけ求人情報サイトがネットに溢れてる中、
わざわざハロワに足を運ぶってのは、はっきり言ってしまうと情報弱者、いわゆる情弱が多いわけよ。
ハロワに行くといるわいるわ、ダメな人が(もちろんちゃんとした人も大勢いるけど)。
求人情報サイトのメリットは次回に述べるとして、
そこをスルーしてハロワを訪れるアナログな人たちがいる、と。
そんなアナログ層を対象に、ハロワに求人広告を出す企業とはどんな企業なのか。

どう考えたって、企業側はネットで求人を掲げた方が効果大きいじゃん。
多くの人の目に付く、応募が簡単だからたくさんの応募がある、
応募が多いってことは、より優秀な人材を確保できる、とか。
そこを使わず、ハロワで求人広告を出す企業ってのは、
掲載費をケチる企業を除くと(求人サイトへの掲載費は結構高いらしい)、
「検索・比較されちゃマズい企業」が多い気がする、オレの見たかぎり。

誤解のないよう書いておくけど、もちろんまともな求人がほとんどなんだよ。
ただ、そこに混じって、まともじゃないように思える求人がそれなりにあって、
その比率の高さが行政機関としてちょっとどうなのよ、と。

ネットでの求人だと、社名をコピペして「評判」とでも書き加えてググれば、
その企業で過去に働いてた人とかの口コミ情報がそれなりに見れるでしょ。
求人情報サイトだと、他社との比較も簡単にできるし。
でも、ハロワの求人検索端末ではそんなことはできないのね。
そこを狙ってくる悪徳企業の求人って本当に多い。

例えば、貿易事務の3年以上経験者、TOEIC700点以上の条件で、月給16万とか。…ハァ?
Objective-Cが使えてPHPにも精通していてIllustratorも使える人、月給20万とか。…アホ?
まさに情報弱者を狙った、どんだけ都合のいい条件なのよ、って募集が結構あったり。

ま、それらのケースは条件・待遇を明記してるだけマシだとも言えて、
本当に酷いのは募集内容と実際の職務内容が全然異なるケース。
例えば、毎日3件の会社訪問をして、社長から話を聞いてくるって経営コンサル会社の求人があったのね。
月収20万+インセンティブ(歩合)で、月収80万も可!だって。
これ、募集では「毎日3件の会社訪問をして」ってルート営業っぽいこと書いてるけど、
こんな会社の下っ端社員にわざわざ会ってくれる社長なんてそうそういないよね。
つまりは見ず知らずの社長とのアポイントを毎日3件取ってこい、
もしくは「おまえの知ってる社長を毎日3人紹介しろ」ってことよな。
そりゃソフトバンクの孫さんやホリエモンが入社したら80万も夢じゃないだろうけど(笑)、
ハロワで職探ししてるような連中が紹介できる社長の知り合いなんて一人いるかいないかでしょ。
案の定、その求人には15人が応募して合格者1人。その1人もすぐに退社してた。
おそらく、アポ取るまで帰ってくんな!的なパワハラはあっただろうなと勝手に想像してみたり。

こんな企業、求人情報サイトなら出禁ものなんだけど、
ハロワが問題なのは、求人数を稼ぐためか、まったく問題視してる様子がないの。
上記の悪徳経営コンサルも、何度にも渡って求人広告を出してるのね。
例えば、求人広告の掲載期間が9/1〜9/30の一ヶ月だとする。
するとこの会社、9/10には求人を取り下げて、またすぐに9/11〜10/10で求人を出す。
さらに9/20に取り下げて、9/21〜10/20で求人を出して…。
もうずっとこんな感じの繰り返し。
理由はそうした方が常にその求人が上の方(求職者がよく見る位置)に来るからだろうけど、
ハロワだって一応、過去のデータは取ってるわけ。
その企業の前々回の求人では20人が受けて全員不採用、
前回は15人が応募して1人だけ採用、でもすぐに退社、みたいな。
それ見たら、どうもおかしいなって気付きそうなものだけど、わかってながらスルーなんだよね。
オレも一度酷い目に遭ったけど、その話はまた別の機会に譲るとして。

ホント、ハロワって求人広告を出してる企業を全然調査してない。
だって良くも悪くも行政機関だもんね。評判なんて関係ないんだもの。
一方、求人情報サイトを運営してるのはもちろん民間企業だから、
下手な求人を出すとサイトの評価、運営企業の評価に関わるので、
それなりに調査して、求職者からのクレームも受け入れてるから、
そこまで無茶をする企業は淘汰されるって仕組みができあがってる。

だったら職探しはハロワじゃなくて求人情報サイトで行うべきなのか?というと、
経験者としてのオレからの答えは「YES」ではあるんだけれど、
それは募集対象年齢が明記されてるからでも、悪徳企業がいないからでもないのね。
じゃあどうしてかっつーと、その話は次回に。