2016年10月16日

Pebble Time Roundに惚れる。

スマートウォッチ、買いました。
「時計の盤面が変わる」ことには昔から興味があって、
最初に欲しいと思ったのはカシオのこれ。もう15年前だ。

で、近年Apple Watchが出て、Android Wearが出て、
「盤面が変わる時計が欲しい熱」が再燃するわけだけど、
まず何より値段が高すぎる。
CPU入りの、つまりはほぼ確実に十年以内に壊れる時計が5万とか10万とか、アホかと。
さらに常時表示されてないって、もう時計の意味ないじゃん。
極め付きは毎日充電が必要って…開いた口が塞がらんですよ。
オレの求めるのはあくまで「盤面が変わる、ただの時計」なの。
アプリを使えばメモが腕元で確認出来る? スマホで見るわ!

そこでトイザらスで見つけたプレイウォッチの購入を考えるものの、
さすがに大人が会社でこれを付けてるのはいかがなものかと思い留まった。

次は AliExpressでパチモンを探し始めるも、
そりゃ1500〜5000円ほどで最低限の機能を備えたものはあるんだけど、
やっぱりダサいし、中国語もキツい。
もし日本語化出来なくて、急に「消息已到達」なんてメッセージが表示されたら、
それが何を意味するのか絶対に理解出来んですよ、オレには。

そうしてネットで検索を繰り返しているうちに、これだというものに巡り会いまして。

Pebble Smartwatch

2012年にKickstarterで開発資金を募った際には
目標額10万ドルに対して1027万ドルが集まったことでも話題を生んだPebbleでありますが、
その後も様々なモデルを発表していて、中でもPebble Time Roundのかわいさったら、もう!
公式では在庫切れだったブラックを米Amazonで購入。送料込みで約181ドル。

Pebble自体がいわゆる一般的なスマートウォッチらしくないんだけど、
RoundはPebble初の丸形ディスプレイで、普通の時計に一番近い、そこがいい。
Gizmodoのレビューのタイトルにもあるように「ギークじゃなくても使える」。それって大事。
希望通り、盤面が変更出来るのはもちろんのこと、
電話やメール、LINEの通知も届けば、スマホで聴いてる音楽の操作も出来る。
オレの欲していた以上の機能が搭載されているのはうれしいものの、
何より興奮したのはUI(ユーザーインターフェイス)の素晴らしさ。
スマートウォッチの挙動で「かっこいい」じゃなく、
「かわいい」「親しみがある」というベクトルは初めてじゃないか? これって地味に凄い。
その点に関してはこの方のブログが一番わかりやすかった。

超絶かわいいスマートウォッチ Pebble Time Round 買いました💞 - 碇だよ('ロ')

「UIがかわいいということがここまで魅力的だとは思っていなくて本当に驚いた」
そう! そうなんだよ!
商品のファン、ひいてはメーカーのファンになってもらうためには、
それって実は機能以上に大事だと思うんだけど、わかってないメーカーが多すぎる。

唯一の難点はPebble Timeが1回の充電で約七日間持つのに対し、
Pebble Time Roundは約二日間。薄さのかわりに電池持ちを犠牲にしたわけだ。
でも20~30分ほどで充電完了するし、ここは大目に見ちゃおう。かわいいから許す。かわいいは正義。

そんなわけで、到着してから三日ほど会社に着けて行ってんだけど、
Pebbleってオタクな人にはウケないし(弊社に多し)、
デジタルガジェットにまったく興味のない女子はチープカシオで充分だったりで、
なかなかこの素晴らしさをわかってくれる層っていなかったりするんだよね。
そういった理由から、まだ誰にもPebble Time Roundを見せられていないオレなのです…。

ところで全然どうでもいいんだけど、
ディスってるわけじゃなく、あくまで素朴な疑問なんだけど、
Apple Watchってどうしてお爺さんと超絶ダサい人しか着けてないの? 東京だと違うの?


■ 今日の一曲
タイ・バンコクの女の子3人組、Jelly Rocketがすごくいい。
イケてない感じが逆にイカしてて、"How Long"は超名曲。
胸が詰まるライブの映像もたまらんです。アルバムを早く出してほしい。

タイのドリーミー・ギター・ポップ・バンド JELLY ROCKETが青春すぎる - MUMUMAG

2016年10月15日

限界な人、取材の依頼。

先日電車に乗ってたら、とある駅から乗ってきたサラリーマンがオレの隣に座ったの。
その数秒後、やたらと体の右側が重いなあ、と思ったら、
その人が居眠りしてオレの方にもたれかかってんの。
乗車して数秒後ですよ?
で、次の駅に着いた途端、よろよろと立ち上がって降りていったの。
もう限界じゃん!
そこまでして働く理由ってなんだろうか、と結構真剣に考えさせられた光景でした。
だったら金はなくとも山奥ニートの方が何千倍も幸せだと思うがなあ。

一年ほど前だったか、知らない人からメールが届いて、
何かと思えば、以前に書いた記事に関して話を聞かせてくれないか、と、
なんと朝日新聞の記者さんからの取材申し込み。
なんでも、まさに郵便局の労災隠しに関して取材をしているとか。
面白そうだし取材に応じたい気持ちはやまやまながら、
もう怒りもすっかり冷めたし、そもそも詳細を忘れちゃったしで、
「申し訳ないけど書いた以上の話はないんです」と丁重にお断りさせていただいた次第。
しかし記者さんってすごいね。取材のためならこんなくだらないブログまで掘るのね。


【今日の一曲】
冒頭1秒強のカッティングでヤラれた。名曲。

ミツメ - あこがれ

2016年10月9日

3776が耳から離れない件。

唐突ながら、まずはこのインストナンバーをお聴きいただきたいのです。

???

こういうのってどういうジャンルに分類されるんだろうか。ドリーム・ポップ? ネオ・シューゲイザー?
最近のジャンル分けって細分化されすぎて複雑怪奇で全然わからんです。
ま、この曲については後ほど説明するとして。

それはさておき、3776(みななろ)、すごくねーですか?

富士山のご当地アイドルで、その標高から命名された3776。
去年のアルバム発売時にヘビー、とまではいかない、ミドルローテーションはしていたものの、
二週間ほどで飽きちゃって、そこから数ヶ月の冷却期間を置き、
先日改めて聴いて以来、マイ第二次ブームが到来しているのです。
中毒性が高くて仕事中すら耳から離れない! 困る!

3776を聴かない理由があるとすれば

まずこのアルバムタイトルとジャケットが秀逸。
62分56秒(3776秒、つまり1m/秒)で富士山を登頂するという設定も、
アルバム冒頭から「1、2、3…」と毎秒カウントが上がっていき、
最後の「…3774、3775、3776」でアルバムが終わる構成も実に上手い。
3776こと井出ちよのの登山ガイドや富士山雑学に続き、
その場所やトークに沿った曲が始まる流れになっていて、
コンセプトアルバムとして見事と言う他ない。間違いなく傑作。

The Whoの"Tommy"やPink Floydの"The Wall"など有名コンセプトアルバムは数あれど、
当然英語だし、悪い意味での「アーティスティック」な表現に、
そのコンセプトや歌われる内容にまったくピンと来ず、
単純にアルバムとしてしか評価出来なかったオレにとっては、
初めて納得出来たコンセプトアルバム、ということになるのかもしんない。

もちろん曲の完成度も極めて高い。
楽曲の素晴らしさは到底こんな拙文で伝えられるものではないので、
熱いAmazonのレビューに譲るとして、だ。

3776の作曲者がどういった思いで曲を作ってるか知らないので、
ここから後はオレの妄想だと思って聞いていただきたいんですがね。

3776を聴いて改めて感じるのは、
今は「アイドル」という要素を加えることで表現の機会が得られる時代なんだなあ、と。
テクノとアイドルを融合させたPerfume然り、
メタルとアイドルを融合させたBABYMETAL然り、
パンクとメタルを融合させたANTHRAX然り(あ、これは違うか)。

それって決して非難されるようなことじゃなく、
昔からそういった「要素を加えることによって個性を出して売り出す」なんてことは多々あって、
それが吉と出るか凶と出るかはともかく、
時代によって加える要素やジャンルが変わるだけで、
以前はパンクだったりニューウェーブだったりしたのが、
今の時代はアイドルになってるって、それだけの話。

もしオレが今、曲を作って発表したとしてさ、
それが案外いい曲だったとしても、誰の耳にも届かないでしょ。
YouTubeで500~1000Viewいけば御の字。
周囲の友達に「結構いいじゃん」と言われる程度が関の山。
…でも、その曲をアイドルが歌ったとすれば?

ここでようやく冒頭のインスト曲の種明かしをすると、
さっきの曲は3776の「僕だけのハッピーエンド」という
ネット限定シングルに収録されてる同曲のインストバージョンなんだけれど、
単体で聴くととてもアイドルソングとは思えない。
つまりは、この作曲者の持ってるセンスって、決してアイドルソングのそれではないわけで。
でも、この曲にアイドル要素を加えて「アイドルソング」にすることで、
そこでようやく「まず耳にしてもらえる」ってステージに立っている、と。

3776 - 僕だけのハッピーエンド

それって後からアイドル要素を加えたはずなのに、
アイドルソングとして耳にした人からは
むしろ「アイドルなのにこんな曲をやってるんだ」って、ひとつ評価を盛れたりもして。

そこで、この曲を作ってるやつは誰だ、ということで、
ようやく作曲・編曲の石田彰もフィーチャーされる、そんな時代なんだなあと勝手に思った次第。
Perfumeやきゃりーで一躍脚光を浴びた中田ヤスタカのように。

ま、上記は全部オレの勝手な思い込みで、
実際には作者は初めっからアイドルソングを作りたくて試行錯誤した結果で、
「わかったフリして語ってんじゃねえ」って怒られるかもだけど(笑)。

でもやっぱりただの音楽好きで、根っからのアイドルファンではないオレとしては、
曲やコンセプトが好きなんであって、「アイドルとしての3776」は好きになれないんだけれども。
上記の「僕だけのハッピーエンド」、ライブ映像を見ると学芸会チックで相当に厳しい。
客席の最前列に3776ファンの掟ポルシェが映り込んでいるのはご愛嬌。

【PV】僕だけのハッピーエンド - YouTube